いやまあ

ドーピングはないに越したことなく、すべからくフェアであるべきだろうけど…疑わしきは罰せず、くらいの心意気でないと、プロスポーツイベントとして成り立たなくなってしまうのでは?と、思わなくもない。個人的に。去年のランディスの白黒もはっきりしていないのに、同じ倫理で、ばさばさ選手を切られても、到底納得できるものではない。

特に、日本ではドーピングは刑事罰ではないので、なんていうか価値観がヨーロッパとは異なっているのだ(よね…)。いや、もちろんクリーンでフェアであるのに越したことはないが、(ソースが見つからないけれど)王貞治氏が、バリーボンズのドーピング疑惑について、「ドーピングしていたとしてもあんなにホームランを打てるわけがない」と、発言していたように記憶しているが、まあ野球がまるきり個人競技ではないのを差し引いても、なんていうかアジア的というか日本人的には、そんな感じ、あると思う。ドラマ優先というか感動優先というか人情優先というか、そういう面は否めないと思うのだ、日本人として(誤解を恐れずに言ってしまえば…)。高校野球にしてもなんにしても、このチーム、そんなに好きじゃないけど今年は勝たせてやりたい、勝たせてやってもいい、だなんて不思議で身勝手なファン心理が働いてしまうわけで(笑)。

それと似た理由で、今年、ヴィノクロフを(極東アジアの片隅から)応援していた日本人は多いと思う(僕もその一人)。今年こそ、と。ラスムッセンだって、一昨年の個人TTでのハチャメチャを知っている人は、そうか、ついに総合で勝負できるのかと、今年は取らせてやってもいい(偉そうにね・笑)だなんて思っていた人も、恐らく多いはずだよ…(僕もその一人)。

でもさ、それが、なんていうかファン心理、ツール・ド・フランスのファン、ロードレースのファン、の心理じゃないかなぁ…。特に、日本人的な。単に順位やタイムだけではない、そういった背景や事情が、ファンを熱くさせるはずだ。

フェアであるに越したことはない。そこに、ドーピングに対する倫理としての価値観の違いがあるにしろ、フェアでクリーンであることに越したことはない。越したことはないが…さて、それでは、というところか。

ヨーロッパのロードレースって、(恐らくたぶん)観客からは金を取らないよね?あ、まあ、国を問わずロードレース全般にそうか、な?誰のために、レースをやっているのか。レースを魅せているのか。選手自身のため?チームのため?観客のため?スポンサのため?どれも正解だろう、たぶん。でも…。でも。

無知と誤解を承知で、言えば、ね。