冬が来る前に

寒くなる前に、長距離(せめて100km超)を走りたいなぁと思っていた。それはもう、走りたい、じゃなくて、走らなくては!というほどの強い思い。いろんな条件を鑑みるに、後先考えずソロで走れるのはこの連休しかなかった。

五日市街道で武蔵五日市駅まで、という企画は以前敢行しているので、今回は「青梅街道を青梅まで、調子よければ奥多摩湖」というテーマで走り出す。朝8時15分。普段、仕事に出るよりよっぽど早い時間(笑)。

走り出して、物凄い西風に遭う。これから西に向かって走り出す人間に何という試練。よっぽど途中でテーマを変えて千葉方面に向かおうかとも思った。とにかく強い向かい風。突風で前輪が滑るほどだ。予定より少し遅れて青梅駅に到着。

行程そのものはそれほどではないが、何より風が強く、それに抗うように漕いでいたら左膝に違和感。それでも、まあ大したことなさそうなので、青梅駅前で屈伸して、このまま青梅街道を奥多摩湖を目指す。青梅の街は、散策するには面白そうだったが、今回は走ることがメインなので取り敢えず先を目指す。散策はいずれね(笑)。

最低限の下調べはしてきたけれど、地図も持っていないし(携帯のGPSは通じていたけれど)「あとどれくらい」という距離感がちっともわからない。もう少し先かと思っていたけれど、あれ?いつの間にか奥多摩駅に到着。このあたりまで来ると、上下レースジャージを着た自転車乗りがわらわらと。いやあ、楽しい。風さえなければ…。都内最西端というコンビニで昼飯の弁当を購入。すぐ脇で立ち食い。

えっと、それからはずっと多摩川沿い青梅街道、緩い上り。トンネルも幾つか。テールライトは点けっぱなし。特にキツかった記憶もないけど、写真も撮っていない(笑)。しばらく走ってふと視線を上げると、小さな駐車場、人が溜まっている。みんなが見ている方に目をやると…。おおっ。小河内ダム余水吐から放流されていた。もっと麓にも「6日から放水します」と張り紙がしてあったが、実際に目の前にすると迫力がある。

そこからもうひと漕ぎすると、奥多摩湖。おー、着いた着いた。ちょっと感激する。湖の水がチェレステ色だよ。ひと休みして、湖畔を時計逆回りに回る。

復路は奥多摩周遊道路を走ろうと思っていたが、綿密に下調べをしたわけではなかったので、青梅街道を左折する箇所を逸する。あれ?山梨県だよ。いいのか?このまま進んで。

間違えました。その手前、深山橋を左折しなくちゃいけなかった。2km以上も余計に上っちゃったよ。深山橋、三頭橋を渡り奥多摩周遊道路へ。が、途中まで調子がよかったが、うー、膝の痛みが悪化、しんどい。加えて、いや、事前にこのルートは走り屋のメッカだとは聞いていたが、レース気取りで走っていく車とオートバイの多いこと多いこと!こんな片田舎の道路に、僕が見た限りで、小型のパトカー(1台)、救急車(1台)、白バイ(2台)、消防車(1台)を見かけた。渋谷でも一度にこんなには見ないぞ。

いやあ、膝痛くて途中歩いちゃったよ。甘く見てた。麓で抜いたPanasonicMTBに乗ったお父さんに追いつかれて抜かれる。大丈夫?と声をかけてもらい、彼のペースで後ろにつかせてもらった。時速6〜10km/h。助かった。ひーふー。月夜見第一駐車場で休憩。おお、さっき見た小河内ダムがあんなに眼下に。標高993メートル。お父さんは武蔵村山からとのこと。慣れているって感じ。休憩後、一緒に走り出すもすぐに置いてかれた。都民の森で、ってことだったのだが、都民の森の駐車場では入れ違いできちんとお礼をできなかった。申し訳ない、ありがとう。

さあ、直前の電光掲示では気温12度。リュックに詰めた長袖のシャツを着る。自動販売機でホットの珈琲を飲む。あとは下るだけ。武蔵五日市駅を目指して。

ええと、ただひたすら下りだが、何より寒い!指先と足の先は悴んで感覚がない。都民の森駐車場を出た頃はまだ明るかったが、どんどん日も暮れて、薄暗く。明るい内に山を下りる計画はもろくも失敗に。「都内で一番高い道路」の標識も見逃した…。寒い上に暗くなって、しかも峠道でカーブも頻繁、その上にバイクと自動車もひっきりなし、という状況で、ブレーキから完全に手を離しては走れない。ブレーキ・レバーには指4本掛け。それでも力が入らない。檜原街道、もうあと少しで武蔵五日市駅、というところの直線で、目の前にばーんと満月(もう欠け始めなんだろうけど)、ちょっとだけ涙が出そうになる(笑)。

武蔵五日市駅、到着。ここまでで、サイコン上の走行距離120kmちょっと。このまま自走して帰ればそれこそ100マイル、センチュリーライドだが、ちょっと膝が痛い。それに、下着(普通の)と擦れて尻が痛い。痛い箇所が複数あると、気力もめげる。一応、買ったばかりの輪行バッグも持参していたので、ここはあっさり輪行で帰ることを決める(と、同時に、サイクリング用のインナパンツの購入を決める)。

実は、初輪行。拝島で乗り換え、立川で乗り換え、階段の上り下りが大変だったが、なんとか三鷹に到着。三鷹駅の自動改札で、Suicaかざして、よいしょと自転車担いで抜けようと思ったらゲートが閉まっちゃったりして驚いたが(一定時間で自動的に閉まるらしい)、概ね問題もなく、北口のロータリィで組み立て。組み立て終わって辺りを見回すと、BD-1を組み立てる男性や、これから輪行バッグに詰める女性3人組が。BD-1の方には、「これはシクロクロスってやつですか?」と声をかけられた。先方は、三浦の方の海岸を走ってきたとのこと。僕は奥多摩湖に行ってきたと言うと「海側もいいですよ」と言われた。ひゃはは、ええ、次は是非。

ええと、総括。膝痛かったけれど、無茶苦茶楽しかった。輪行の可能性も大いに味わえたし、何より100km超を走れたし。奥多摩周遊道路にはやられてしまったが、今度はもう奥多摩駅まで輪行して、そこから挑戦だ。今回はあまりの強風で、青梅に着くまでで消耗してしまった(負け惜しみ)。冬が来る前に、もう一度トライしたい。


【今日見かけたBianchi
奥多摩周遊道路で、対向車線を下ってくる集団の先頭でリクイガスのジャージを上下着ている方がいた。あのジャージを上下で着ているくらいだから、おそらくバイクもビアンキだとは思うが、僕は上り、先方は猛スピードでしかも集団で下り、とあって、バイクの種類まで確認できず。他、何人もの自転車乗りに遭遇したが、ビアンキと確認できるのは一台もなかった。明けて翌日、吉祥寺中道通りでPasso(チェレステ)。AttivoとPassoって、シルエットはほとんど変わらないけれど、タイヤ径が26インチと700cってことで、その印象はずいぶん違う。メーカの分類も、Passoはシティバイク(訂正:カテゴリはスポーツバイクだった)だけど、AttivoはあくまでMTBだしね。あ、2007年モデルも発表されたが、Attivoはウイング模様のデコレーションが配された。カッコ悪い、とまでは思わないけれど…2006/07モデルを見ると、(偶然ではあれ)2004モデルを買うことができてよかったなぁ、と思ったりも、する。Prontoの2007モデルは、まだ「Now Printing」らしい。どうなることやら?