海の日、山へ行く(2)

さて、大垂水峠を下る。去年の4月にも書いている通り、元々下り下手であるのだが、この春にハンドルとリアのブレーキを替えてから、バイクコントロールの感覚ががらっとよくなった。加えて、普段の眼鏡ではなくきちんとアイウエアを掛けるようにしたので、下ハン握った前傾姿勢でもしっかり前方が見えるようになった。そんなこんなで、下りもずいぶん楽しめるようになったかな、と感じる今日この頃。いずれにしろこの日は同じ車線の車が少なかったせいもあり、気持ちよく下って相模湖畔へ。

中央本線と中央道と、うねうねと並走しながら甲州街道を走り、上野原駅あたりで離脱、駅を迂回して山梨県道・神奈川県道35号線、桂川を渡る。高尾あたりまではぽつぽつきていたように思うが、気がつくと雨の心配もなさそうだ。

甲州街道を走る

川を渡るとすぐに上りの様相。今回の峠行のテーマ(?)は「休んでもいいけど押しちゃ駄目」である(笑)。去年の9月に醍醐林道から和田峠に行ったときには、なんだかずいぶん押して歩いてしまったので、今回は「押して歩かない」が主眼。へたれはへたれでよいのだが、少しは坂も上りたい。

山梨県道・神奈川県道35号線を南下

山梨県道・神奈川県道35号線は一旦、神奈川県に入り再度山梨県へ。そしたらすぐに秋山温泉。

秋山温泉入り口

ここから県道35号線を離脱して、安寺沢川沿いを上っていく。安寺沢の集落を過ぎる頃は、川というより沢だ。

安寺沢川

振り返る。

安寺沢川

エンジンを吹かして後ろから車が上がってくるなぁと思ったら、郵便局の赤い車だった。それ以外に走っている車はない。

しばらく上ると、ようやく標識に「厳道峠」の文字が。但し、林道安寺沢線、ここから先は急坂らしい。

厳道峠の標識

林道安寺沢線

噂に違わずの急坂。GPSの表示で13〜15%くらいか(帰宅してGPSのログを見ると、傾斜ピークはおよそ23%。そのほか18%の記録もあった)。

林道安寺沢線

陽も射してきて暑い。顎の先から汗が滴り落ちる。ひとつ失敗したのは、このもう少し先あたりでドリンクがなくなってしまったこと…。もちろん自動販売機なんてあるわけがない。これは痛手だった。上り始めではボトルも一杯だったのであまり気にせず上がってきてしまったのだ。もう一本ペットボトルを買ってサコッシュに入れておけばこんなことにならなかったのに。反省点である。

林道安寺沢線

おお、少し傾斜が緩くなったか、と喜んでメータを見ると、それでも6〜7%もあって失笑する。休み休み上る。押し歩きしないように(笑)。

傾斜を除けば路面もよく、概ね走りやすい道だったが(車なんて一台も通らないし)、一カ所だけ土砂崩れの形跡が。ガードレールが押し流されてそのままになっていた。去年の傷跡かな。

林道安寺沢線

そこからほどなくして峠。おお、着いた!が、特に何かあるわけでもなく、景観もさほどではない。脇に遊歩道があるので自転車を止めて徒歩で上ってみる。

厳道峠

見上げると大きな鉄塔が見える。どうやらその足元まで歩いて上れるようだ。

厳道峠

鉄塔の足元まで来ると突然視界が開ける。道志みち沿いの集落が彼方に。ただ、すぐ隣の鉄塔は、ずっと「ぶぅうん」という不気味な低周波を発していて、体に悪そう…。

厳道峠

Google Earthで同じ位置同じ向きに立ってみる。

Google Earthで厳道峠

そうか、雲がなければあの位置に富士山が見えるのだな。というか、Google Earth、よくできてるなぁ…。

鉄塔の低周波さえなければ、そして何か飲むものさえあれば、もう少しここでのんびりしてもよかったのだけれど、いそいそと自転車を止めたところまで戻り、下る用意。どこか水分の補給できるところまで。

続く。