らーらーらーららららーらーらー

うららかな気持ちよい天気の三連休。自転車日和。嗚呼、自転車乗りはみんな走りに行ってるんだろうなぁ。僕は日曜以外は仕事…日曜はCycle Mode 2006へ行ってくるつもり(たぶん電車でね)。

さて、そんな連休前日、木曜日は急遽休みとなったので、ほぼひと月ぶりにロングライドに出た。しっかし、昨日は天気が悪かった。一昨日も今日もこんなによい天気なのに…何故よりによって挟まれて昨日だけ…?

さてさて、肝心の目的地であるが、前回が山だったので今回は海方面へ行こうと漠然と考え、ならば、「町田から境川沿いを走ってそのまま江ノ島」コースを走ってみようと決めた。実は江ノ島って、自転車にしろなんにしろちゃんと訪れたことがない。初めての訪島が自転車だ(しかもこの歳になって)。調べると、境川沿い(通称:境川サイクリングロード)もとても走りやすそう。途中、南町田のグランベリーモールのすぐそばを通るし、mont-bellにも立ち寄れる、まあ!素晴らしいプラン。

問題は、吉祥寺から町田までどうやって行くかだが、今回はソロで走るのだし、なんの捻りもなく鶴川街道で行くことにした。道細いし大型車も頻繁に通るし坂道だし、あんまりいいイメージがないのだけれども。

調布を抜けて多摩川を渡って、矢野口。久しぶりに通ったけど、ここついに立体交差になったのか。印象ががらりと変わった。

鶴川街道は、良くも悪くもイメージ通り…丘を縫うような細道に大型車が頻繁に通って。でもほとんどの大型車は気を遣ってくれてたのかそれほど脅威には感じなかった。助かった。スポーツタイプの車の方がよっぽど質が悪い(笑)。それでもまあ無事丘陵部を抜けて町田の街中まで。それにしても、あの辺の丘陵部にお住まいの方々は健脚になるよね。あんな坂を日常として上り下りしてるんだから…。

町田の繁華街をスルーしてようやく境川。ここまでほぼ30km弱。嗚呼、曇天。さてここから境川沿いを下る。

境川サイクリングロード、初めて走ったのだけれど、確かに走りやすい。道幅もそこそこで、車止めもそんなにキツくない。野川の下流域みたいな雰囲気。周辺も住宅街が続いたかと思うと田園風景で、景色がグラデーションしていくのもよい感じ。幼児たちが芋掘り(?)やっていたり、畑焼きで立ち上る白い煙と独特の焼ける匂い、写生大会的風景が続く。気持ちいい。何より平地だ(笑)。気温も寒いほどではなく(長袖のTシャツ一枚)、30km巡航で飛ばしていく。足りないのは陽の光と青空だけだ!

この案内図は、藤沢市高鎌橋付近。このあたりで50km弱。そうこうしているとアレが見えてくる。横浜ドリームランドに併設されていた旧ホテルエンパイアの建物である。初めて見たのだが、うーむ、噂通り不気味な感じ。今年から横浜薬科大の図書館棟になったらしい。へぇ〜。

走りやすいとはいえ、境川サイクリングロードも、他の川沿いのCRのように、ところどころダートになったり左岸だけ道が消えたり、両岸ともなくなって一般道に吸い込まれたり、している。藤沢の市街に入るととうとう川沿いの道は消滅してしまうので、途中から国道467号を南下。国道134号にぶつかるところで海が見えて、おお!ちょっとだけ感激するが、いかんせん海も空も蒼くない。なんでこんな日に来ちゃったんだろうなぁ…。

江ノ島、到着。

あ、冒頭、この文章のタイトルは、当たり前だがキタキツネを呼んでいるのではなく(ちょっと違う。それは「るー」だ)、あれだ、サザンオールスターズのあの唄のリフレインだ。単純な僕は、道中ずっとこの「江ノ島が見えてきた〜」のフレーズが頭から離れなかった(笑)。

到着したはいいが、来訪そのものが目的だったわけなので特にすることもない。自転車を止めて少し散歩をしてみる。海を見る。広く水平線が見渡せるが、とにかくなにしろ曇天。絵面だけだと、どうにも「北へ帰る人の群れは誰も無口で〜」的雰囲気。サザンオールスターズなんて似合わない、演歌的北の海だよなぁ(力士の名ではない)。

散策もほどほどに、帰るルートも考えつつ昼食。行列が出来ている店を避けていたらなんとなく寿司屋(回転)に。旨かった。ビール飲みたかったなぁ…。

復路、基本は再度境川を遡ることとして、せっかくだから海沿い134号を東にちょっとだけ走って由比ヶ浜のあたりで県道32号に入って藤沢市街付近まで戻り、境川と交わったら川沿いに乗り換えることにした。途中、大仏様のトンネルで道幅が狭くちょっとだけ怖かったが、まあほぼ順調に境川に復帰、北上。

途中、畑に囲まれた空き地でラジコンのヘリコプタを飛ばしているおじさんがいた。電動ではなくエンジンタイプのもので、白煙を真下に吹き出しながら、まるで生き物のように空中を自在に操縦していた。おじさんの目の前2メートルほどのところで、愛おしそうにまるでじっと見つめ合うようにホバリングさせていたのが印象的だった。何かの儀式かのようだった。

やがておじさんはヘリを着陸させエンジンを止めたので、僕も自転車を漕ぎだした。直後、前方から、ビートたけし演ずる現場監督的おじさんが自転車に乗って「おう、おう」と声を掛けてきた。なんだ?絡まれるのか?と思ったら、「おうおう、いい色だな、ビアンキか」ときた(笑)。

そこからしばらく自転車談義(笑)。おじさん、自分は素人だからと言いながらも、非常に自転車に詳しい。そのときに乗っていたのはMTBタイプの実用車だったが…、

「乗りもしないのに5台も持ってるんだよ。お兄さんは何台持ってる?」

「ハンドルをさ、こう高くしたくてさ、ここ、アヘッドって言うんだろ?ここを改造したいんだよ。溶接して繋いじゃおうと思ったんだけど、自転車屋が『強度が出ない』なんて言いやがってさ、そんなことないのにな」

キャノンデールはいいね。アメリカのメーカだろ?オレさ、溶接工なんだけどさ、キャノンデールが好きでさ、自分でもなんでこんなにキャノンデールがいいんだろう?と思ったらさ、フレームの溶接がね、丁寧なんだよ。美しい。それでなんだな」

「お兄さんのこのビアンキもいいよ。ビアンキは色がいいね。うん、フレームの溶接はキャノンデールに似てるな(どうやらこれはお世辞らしい・笑)」

「え、台湾製?ああ、ジャイアントか。ジャイアントもな、急成長だな。ツールドフランスにまで出ちゃって」

「(Prontoを指して)タイヤはやっぱりこれくらい太い方がいいよな。どこでも安心して走れるよ」

なんて話しを、延々10分くらい(笑)。とっても面白いおじさんだった。

おじさんと別れて、再び走り出す。川沿いにはぽつぽつとコスモスが群生していていた。それにしても空がなぁ…。写真撮っててもちっとも気持ちよくない(笑)。はぁ、今度は絶対天気のよい日に来よう、と心に誓う。

東名高速をくぐったところで、CRを猫が横切る。危ないよ、気をつけなと声を掛けながら止まったら、同じ柄のもう一匹が出てきて、そちらは僕の足下でごろごろ言い出した。野良の兄弟かな?元気で長生きしろよ、と別れて走り出したら、すぐ先の茂みの中にさらに数匹の猫がいて、ちゃんとキャットフードやら毛布やらが並べてあった。誰かがちゃんと世話をしてくれているのだね。よかったよかった。

さあて、ラストスパート。鶴間公園境川CRを離脱、グランベリーモールへ。駐輪場に停めてサイコンを見ると、ちょうど走行距離100kmほど。

前回もそうだったが、やはり100kmを越えるとどうにも尻が痛い。今回は既に手遅れだが、mont-bellで観念してパールイズミパッド入りインナパンツを購入、そのまますぐにトイレで履き替えた(笑)。既に痛いのでもうパッドがあろうとなかろうとそれほど効果はなかったが、感触としてはよい感じ。次回のロングライドは頭から試してみよう。

買い物と休憩・補給を終え、グランベリーモールを離脱したのが19時頃。あとは、どうやって丘陵部を越えて調布側に抜けるかであるが、どうにも暗い中、鶴川街道を走る気持ちになれなかったので、境川沿いを上れるだけ上って、南大沢に出るルートを探すことにする。

町田市街を抜けてこのあたりまで来た頃、なんと雨粒が…。もともと昼過ぎには小雨が降るかも、という予報だったが、ずれ込んだらしい。しかも、川沿いの道も、舗装路がダートになり、そのうち民家の裏庭を縫うような小道となり…既に自転車で走るようなルートではない。諦めて町田街道に出て、ようやく南大沢の駅に到着。この頃には雨もそこそこ、走っているとヘルメットから滴り落ちるほどである。疲労も、峠を越えた前回ほどではなく、どこも痛いようなことはないが、脚もそれなりにキているし何しろ雨だし、調布まで乗り換えもないし、ということで、ここから輪行を決めた。

特に時間の制限もないので、のんびり改札口の前で自転車をばらしているすぐ隣で、地元の高校生(男女)数人が何をするでもなくずーっと喋っている。聞くともなく窺っていると…結構きわどい痴話をしていて(笑)、えっと具体的に言うと「彼氏が迫ってきたから口でしてあげた」みたいな話し(笑)を改札口の前で(比較的大声で)している。僕は僕で、すぐ隣で(ほんとに隣だよ。置いたバックパックとヘルメットを彼女らに蹴られるくらい)苦笑しつつ自転車をばらして、ようやくバッグに詰めた頃には、なんと雨は上がっていた(!)。それでももうバッグに詰めちゃったし、調布までは一本だし、そのまま京王線に乗り、調布で下車。

調布駅前で自転車を組み立てようと思ったら、どう見ても道が濡れていない。降雨の形跡がない。えー、数十分前には南大沢であんなに降っていたのに…びっくり。八王子市は気温も天気も都心とは違う、とは聞くが、こういうことなのか。その後、調布でラーメンを食べて、吉祥寺まで自走、帰宅。

総走行距離129km。ほとんど前回と同じ。走ってる間はもちろん楽しいが、今回はなにより天気が悪かった。一番可笑しかったのは、やたら自転車に詳しいビートたけし的おじさんとの交流(笑)。